2019.06.26
一生続く、女性ホルモンとの付き合い方(1/2)
女性ホルモンとの付き合い方
みなさん、生理の前に何となくイライラしたり、気持ちがふさぎ込んだり。
はたまた身体的に体が熱っぽかったり、頭痛がしたり、またその症状も軽度だったり重度だったり。
ひとりひとりの人間に個性があるように、生理前のPMSにも個性があります。
その個性とうまく付き合っていくためには、
ふたつの女性ホルモンが、具体的にどのように、私たちの体に働きかけているか知る必要があります。
ここで、生理周期を例に考えてみましょう。
生理から排卵、そして次の生理まで約28日というサイクルで私たちは1か月を過ごしています。
1か月のうちに女性の体は体調も心も大きく変化をします。
まず生理周期は4つの周期に分けられます。
①卵胞期(10日~12日間)
②排卵期
③黄体期
④生理
となります。
①卵胞期では、卵巣の中にできた卵胞(卵子の育つふくろ)から「エストロゲン」が分泌されます。
この時期は前の生理から次の排卵まで女性がとっても快適に過ごしやすい時期です。
特徴としては体調が安定し、お肌の調子もよく、心も体も軽くてとても前向きに過ごせる貴重な時間です。
次に迎える②排卵期では、卵巣で大きく育った(20mmほど)卵胞の中にいる成熟した卵子が、卵巣から飛び出します。
これが皆さんがよく聞く「排卵」ですね。
この排前、1~3日くらいがいちばん妊娠しやすい時期です。
次の③黄体期では②排卵期で飛び出した成熟卵が受精し、
分割しながら子宮に運ばれ着床するための環境づくりをしなくてはなりません。
そのためには子宮内膜をふわふわにしたり、卵管の動きをよくしたり、体温を上げたりして準備を行います。
冒頭で学んだ「プロゲステロン」がここで登場です。
「プロゲステロン」は妊娠の成立を助け、維持するホルモンでもあります。
よって、上記のような準備を始めるのですが、同時に体と心の不調も起こってきます。
この症状を繰り返すとPMS(月経前症候群:Premenstrual Syndrome)と呼ばれます。
ただしこの不調こそがさきほども言ったように「休息して!」
という「プロゲステロン」から私たちへのサインです。
成熟卵と精子が出会って受精卵になり、「プロゲステロン」のおかげて厚くなった子宮内膜に着床しなければ妊娠は成立しません。
妊娠しない場合、厚くなった子宮内膜はどこに行くのでしょうか?
その答えは次の周期④生理で説明します。
④生理は厚くなった子宮内膜が剥がれ落ちて血液といっしょに出血する現象です。
この時に生理痛と呼ばれる症状が起こる方が多くいます。
このように、4つの周期を繰り返しながら私たちは怒涛の心身の変化の1ヶ月を、生理が始まって以来ずっと過ごしているのです。